お知らせ

フリースタイル・リブレをどう利用するか?

佐久市立国保浅間総合病院   仲 元司

アボット社が発売したフリースタイル・リブレをご存じだろうか。直径3センチ余りの小さくて薄いセンサーを皮下に貼り付け、そこに読取器をかざすことで皮下グルコース濃度(血糖値ではない)を数値、或いはグラフ化して見せる装置である。個人用のリブレはリアルタイムにグルコース値を表示すると同時にそれが上昇しつつあるのか下降しつつあるのかも示してくれる優れモノである。インスリン注射をしている患者さんであれば、それを見て早目に低血糖や高血糖への対処をすることができる。しかし残念ながら4月の時点でまだ保険適応は認められていない。

t_DSC_0018.jpg

リブレ・プロの方は同じように皮膚に貼り付けたセンサーをCGMとして使用するものである。読取器がなければリアルタイムのグルコース値は分からないが、2週間分の皮下グルコース濃度の推移を記憶できる。読取器をかざすことで最長2週間分の皮下グルコース濃度をグラフ化してくれる。つまり入院しなくても日常生活下の血糖変動を「見える化」できるのである。
初めてこの話を聞いたとき、直感的に「こいつは糖尿病外来を大きく変えるかもしれない」と思った。ちょうどDPP4阻害薬が登場した時に感じたのと同じ予感がしたのである。

t_DSC_0013.jpg

これまでもCGMがあったではないかと言う人がいるかもしれない。しかしリブレ・プロは従来のCGMとは明らかに一線を画すものだ。まず穿刺が簡便、装置が安価、SMBGによる較正が不要、それに記録できる日数が従来の5日から14日に伸びた。このことによりインスリンを使っていない人でも、SMBGをしてくれない人でも(いやむしろそういう人こそ)使用できるようになった。外来診察の合間に簡単に装着でき、外すのは患者さん自身に任せられるので外来の予約通りに来院してもらえばいい。遠方の人にでも問題なく装着できる。CGMがより大衆化、一般化したと言ってよい。これまでベンツだったものがカローラになったと思えばいい。

リブレ・プロは対象患者さんの枠を拡げただけではない。もっとすごいのはCGMを医師やインスリンに関わる少数のCDEの手から広くCDE全体が利用できる道具へと変えてくれたことである。当院では医師の診察の前にCDEがフットケアや栄養相談、透析予防などの療養指導に当たっている。ここにリブレ・プロで得られたデータを活用するのだ。CDEが読取器を操作してグルコース濃度のグラフを打ち出し患者さんとともに見ながら生活の振り返りに利用する。こうすることによって療養指導も栄養指導もより充実したものになる。

患者さんはグラフを見ることで自分が何を食べ、どう運動すれば血糖値が上下するのかを実感することができる。実際「これは勉強になりますね」「すごく面白いです」「もう1回装着してください」と言った患者さんの声を聞いているとリブレ・プロが療養行動を変容させる可能性に気付く。全員とは言わないが多くの患者さんのモチベーションを向上させ療養に前向きにさせる力がある。

リブレ・プロでなくリブレが保険適応になればこの傾向は一層顕著になるだろう。CDEの皆さんはこの最新の装置をうまく使いこなして患者さんとの距離を縮め、有効な療養指導に生かしていただきたいと思うのである。

※本文は2017年4月に寄稿頂いたものです。本製品は2017年9月に保険適応となりました。

 

t_DSC_0007-2.jpg

 

東北信地域糖尿病療養指導士宣言

低血糖・シックデイ マニュアル

療養指導で困った事、糖尿病専門医や他のCDEへの質問など、お気軽に。
L-CDEの広場(掲示板)

登録情報の変更依頼フォームページへ

11月14日は世界糖尿病デー
World Diabetes Day