平成22年6月27日(日)佐久大学において第1回東北信L-CDE講演会を行いました。その概要を報告します。

参加者は73名と期待していたよりかなり少ない数でした。来年もこのような講演会を企画しますのでより多くの皆さんの参加を希望します。

 

1.「地域糖尿病療養指導士に求められるもの」

長野赤十字病院健康管理科部長 大房 裕和

糖尿病療養は、一生にわたるため、個人のライフ・ステージに応じた一貫した療養支援が必要であり、その為には、患者さんの生活している地域のライフ・スタイルなどを理解した、密接なヒューマン・リレーションの形成が大切である。L-CDEは、患者さんへの眼差しのベクトルを同じにして知識と技術を共有し、また互いの職業的特性を生かして一人でも多くの患者さんのQOL向上の為に、手を繋いで活動していくことを期待したい。

 

2.「糖尿病療養指導士として知っておきたいこと part1」

浅間総合病院地域医療部長 仲 元司

「糖尿病とはどんな病気か」から説き起こし今回の日本糖尿病学会で示されたHbA1cのJDS値→NGSP値への移行、糖尿病の新しい診断基準の解説、インスリンの発見からその作用についての話、なぜ糖尿病が増えているのかを考え合併症やメタボリックシンドロームへと展開、最後に最近の大規模臨床試験から分かってきたことを何点か述べた。また「東北信地域糖尿病療養指導士宣言」をあらためて受講者に提示した。

 

3.「糖尿病療養指導士として知っておきたいこと part2」

佐久総合病院内分泌代謝内科部長 大橋 正明

「糖尿病の治療」をテーマに話をした。糖尿病の病態分類から、糖の流れ、病態の違いによる治療方法の違い、そして、インスリンの種類や経口血糖降下薬の種類と違いについて触れた。特に、最近発売されたインクレチン関連薬(DPP-Ⅳ阻害薬、GLP-1アナログ製剤)について詳しく触れた。糖尿病の治療は、血糖値のみを改善するのではなく、インスリン分泌や抵抗性を健常者の状態に近づけることが重要であることを強調した。